同期以上、彼氏未満
詩織の言う通りに、休みの日に頼んでみた。


「ねえ裕和、洋服なんだけど、洗濯するものはカゴに入れてくれないかな?」


ソファーでくつろいでいたから、ちょうどいいタイミングだと思った。


「わかった、でも、カゴってどこにあんの?」


・・・予想外の回答だった。


でも、場所がわからないからやってくれないんだとわかった。


そこから、事細かに説明した。


タオルはここ、洗面用具や洗剤の在庫はここ。


窓は出かける前に閉めてね。


使ったものは元に戻してね。


黙って聞いていた裕和は、


「俺だけ責められてない?」


まさかの逆ギレ気味だった。


「そんなつもりないよ、お互いの暮らしてきた環境が違うんだから、歩み寄らないとダメじゃん」


「え、じゃあ俺から恵に言ってもいいってことだよな?」


「もちろん」


「恵、朝早く起きすぎなんだよな。


俺、平日はもう少し遅くまで寝たいんだけど」


「え、でも、支度もあるし、今以上遅くするのは難しいんだけど」


「なら、もう少し静かに起きてくれよ」


「わかった、気をつける」


「あとさ、あんまり凝ったメシ作んなくていいから」


「え、なんで?」


「恵、言葉にはしないけど、けっこうドヤ顔してんだよ。


それがプレッシャーなんだよな」


「そっか・・・」


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