同期以上、彼氏未満
これは、けっこうこたえた。


平日は仕事があって時間がかかるものを作れないから、週末にまとめて常備菜を作ったり、作りおきして冷凍したりしてた。


決して料理上手じゃない私だけど、週末ちょっと頑張れば平日は楽できるから。


それを全否定された、ってことだよね。


「わかった、でも外食とか買ってきたお惣菜とかになっちゃうけど、いい?」


「いいよ、お互い働いてんだし、無理すんな」


「心配してくれてるんだね、ありがと」


「最初から張り切ると、あとでツラくなるかもしれないだろ」


裕和は、私のことを気遣ってくれてたんだな、と嬉しかった。



そんな話し合いがあってから数日後。


朝起きた私は、そっとベッドを抜け出してリビングの明かりをつけた。


ソファーには、脱ぎ捨てられたスーツやネクタイ。


Yシャツはクシャクシャになって、床に落ちていた。


それらの洋服を拾い上げながら、悲しくなってきた。


裕和へのストレスを、なんとか発散させられないか、回る洗濯機をながめながら考えた。


昨日は、裕和は忘年会に行ってたんだから、仕方ない。


取引先もいて気疲れして、家に着いたら一刻も早く休みたかったに違いないから、仕方ない。


でも。


忘年会じゃなかった一昨日も、同じように散らかってた。


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