同期以上、彼氏未満
昴のアパートの外から部屋を見上げたら、電気はついていた。


良かった、彼女といるかもしれないけど、部屋にはいるんだ。


少しためらったけど、インターホンを鳴らした。


しばらく間があって、ドアが開いた。


「メグ、どしたん?」


部屋着の昴が顔を出した。


「うん、ちょっと訳ありでさ、今ひとり?」


「イブにひとりで悪かったな。


寒いし、話聞いたるから、入れや」


「突然ごめんね、ありがと。


あ、これケーキ」


「気つかわんでええのに。


ほな、ふたりで食べよか」


昴の部屋はキレイに片づいていた。


「昴、例の彼女と連休中に出かけなかったの?」


「例の彼女って、誰や?」


「え、佐久間さんの後輩で、付箋くれた子だよ」


「あー、あの子な、なんもないわ」


「なーんだ」


どこかでホッとしている自分がいた。


「メグが好きなのに、なんで他の子と出かけなあかんのや」


そのストレートなセリフは、ずるいよ。


「昴は素直でうらやましいよ」


「好きな子が目の前におるのに、ひねくれてどないするんや」


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