同期以上、彼氏未満
「な、なんでさわるの?」


「なんでって、熱でもあるんかと思ったからやけど」


「熱なんてないよ、飲んだから赤いの!」


「そうなん?」


それ以上、昴は突っこんでこなかった。


ソファーで寝ている詩織に毛布をかけ、


「おやすみ」


と、昴に声をかけた。


「メグ、なんか悩みあるんなら聞くで」


布団の上にあぐらをかいて座りながら、昴は優しく諭すように言った。


「ありがと、なんもないよ」


悩みの原因に、話すわけにもいかないし。



翌朝、寝室から出てリビングに行くと、昴も詩織もぐっすり眠っていた。


昴の寝顔は、子どもみたいに無垢でかわいかった。


静かな寝息を邪魔しないように、そっと頬にふれてみた。


あったかい。


意外と、肌キレイなんだな。


もう一度、頬にふれてみた。


昴の目がうっすら開いて、


「メグ?・・・おはよ」


私の頬に手を伸ばしてきた。


「おはよ、朝ごはん作るね」


「なんや、襲われるんかと思ったわ」


「なんで襲わなきゃいけないわけ?」


「そういうんも、ありやないかと思うで」


「は?」


「腹へったわ、顔洗ってくるな」


昴は洗面所へ向かい、私もキッチンへ向かおうとした時、こっちをニヤニヤしながら見てる詩織に気づいた。


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