自殺部屋
彼は頭に乗せていたピエロ風のハットを外し胸元に当て小さくお辞儀をした。

?『紹介が遅れましたぁ、ここの管理人のものです。
僕には名前がないのでテキトーにお呼びください?』

彼の笑って細めた目が誰かに似ているような気がした。

私「わ、私は…」

?『結城 梓 さん、ですねぇ??
ちゃーんと自殺した人の資料はここに届くようになってるんですよぉ〜』

彼は相変わらず道化じみた笑顔を貼り付けている。

時々つまらなそうにあくびをする彼。
本当は彼は笑ってなどいないのだ。
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