自分の成したコト
1
「これ!またサボりおって!」
先生が席を外したのをいいことに、机にだらりと体を預けていた時だった。
丸めた冊子が頭に当たり良い音が鳴る。
「イテッ…」
「それでは補習も終わらんぞ。」
先生の怒った顔が沈む夕日に照らされて赤く染まっていた。
只でさえ厳つい顔が更に怖さを増している。
めっちゃこえー
「だって先生、やる気出ねーんだもん。」
なおも机にだらだらする俺に、先生は溜め息を吐いた。
「やる気がないことを言い訳にするでない。クラスの皆もやる気がなかろうとそんな自分と戦って勉強しておるのだ。」
「先生ー、やる気がない自分が戦おうとしてもやる気がないので、戦うやる気もおきるわけもなく戦いを始めることも出来ません。」
また、パコンと良い音が響いた。
「先生、痛いです。」
「お主がやる気さえ出せば、この寺子館で並ぶ者は誰もおらんというのに。
お主はもっと自分の可能性を信じるべきじゃ。
あと数年すれば、その才は勉学の父と呼ばれたヤマダイラ・シマをも越えるだろう。
それほどのものを持っていれば、お主なら何でも出来るだろうて。」
「………」
先生は本当に残念そうだ。
だが、やる気を出したところで何が変わるというんだろう。
「先生が下民である俺をここにおいてくれたことは感謝しています。
でも、下民の俺がどんなに頑張っても下民は下民なんです。下民は就ける職業が決まっています。頑張ったところで可能性なんてないし、何も変わりません。」
先生は俺の話を黙って聞いていた。
「先生、俺のこと占ってくれませんか?」
先生は、この国でとても高名な学者だが、それと同じくらい占いが当たると有名だ。
でも、見える未来は少しだけらしい。
それよりもその人の前世の方がよく見えるらしく、放課後は先生に前世を見てもらおうと女子が先生の部屋の前に行列を作っている。
「以前も言ったであろう。もう未来は見ないのだ。」
先生が席を外したのをいいことに、机にだらりと体を預けていた時だった。
丸めた冊子が頭に当たり良い音が鳴る。
「イテッ…」
「それでは補習も終わらんぞ。」
先生の怒った顔が沈む夕日に照らされて赤く染まっていた。
只でさえ厳つい顔が更に怖さを増している。
めっちゃこえー
「だって先生、やる気出ねーんだもん。」
なおも机にだらだらする俺に、先生は溜め息を吐いた。
「やる気がないことを言い訳にするでない。クラスの皆もやる気がなかろうとそんな自分と戦って勉強しておるのだ。」
「先生ー、やる気がない自分が戦おうとしてもやる気がないので、戦うやる気もおきるわけもなく戦いを始めることも出来ません。」
また、パコンと良い音が響いた。
「先生、痛いです。」
「お主がやる気さえ出せば、この寺子館で並ぶ者は誰もおらんというのに。
お主はもっと自分の可能性を信じるべきじゃ。
あと数年すれば、その才は勉学の父と呼ばれたヤマダイラ・シマをも越えるだろう。
それほどのものを持っていれば、お主なら何でも出来るだろうて。」
「………」
先生は本当に残念そうだ。
だが、やる気を出したところで何が変わるというんだろう。
「先生が下民である俺をここにおいてくれたことは感謝しています。
でも、下民の俺がどんなに頑張っても下民は下民なんです。下民は就ける職業が決まっています。頑張ったところで可能性なんてないし、何も変わりません。」
先生は俺の話を黙って聞いていた。
「先生、俺のこと占ってくれませんか?」
先生は、この国でとても高名な学者だが、それと同じくらい占いが当たると有名だ。
でも、見える未来は少しだけらしい。
それよりもその人の前世の方がよく見えるらしく、放課後は先生に前世を見てもらおうと女子が先生の部屋の前に行列を作っている。
「以前も言ったであろう。もう未来は見ないのだ。」