自分の成したコト
「いってえ…」
次に目を開けると、そこには瓦礫の山が広がっていた。
壁は破壊され、所々で火が燻っている。
「どうなってんだよ…」
教室を見渡すと、少し離れた先に先生が倒れているのが見えた。
「先生!先生!」
俺は駆け寄り、先生の体を起こすと先生は呻きうっすらと目を開けた。
「先生!大丈夫ですか!?」
「シムラよ…わしを置いて逃げなさい。」
「何を言ってるんです!?先生も逃げるんですよ!さあ立って下さい!」
「ぐっ…ごほっ…」
体を立たせようとすると、先生は大量の血を吐き出した。
「先生!」
「体を強く打ったようだ…」
「先生!誰か呼んできます!」
「シムラよ…わしがお主をここに入れたのは、戦う力をつけさせるためだ…」
こんな時にそんな話するなんて、死ぬみたいじゃないか。
徐々に顔から血の気が引いていく先生を見て、嫌な予感しかしない。
「先生!喋ってはダメです!」
「一目見たとき、お主にはこの世界を変えることが出来る力があると分かった。
お主は、前世も未来も戦っておった。」
「先生!話は後で聞きますから!」
だが、先生は震える手で立ち上がろうとする俺の袖を残った力の全てで掴み、それを阻んだ。
「わしはもうここまでだ…だから行く必要はない…それよりも筆と紙を持ってくるのだ…早く…」
俺は躊躇ったが、先生の必死な表情に自然と体が動いていた。
近くに転がっていた筆と紙を渡せば、それに何か書いた先生は紙を何重に折り畳み、俺の掌に握らせた。
「これには…お前の前世が書いてある。お前が死ぬときに…良い人生を送ったと思えたなら、これを見るがよい…ただし…それまでは決して見るでないぞ…」
「先生…」
「シムラよ、お前が下民に生まれたのはお前のせいではない…罰…では、ない…」
先生の手が力なく地に滑り落ちた。
「先生!」
それ以上、先生を呼んでも俺のことを見てくれることはなかった。
薄く開かれた先生の目は、ここではないどこかを見ているようだった。
次に目を開けると、そこには瓦礫の山が広がっていた。
壁は破壊され、所々で火が燻っている。
「どうなってんだよ…」
教室を見渡すと、少し離れた先に先生が倒れているのが見えた。
「先生!先生!」
俺は駆け寄り、先生の体を起こすと先生は呻きうっすらと目を開けた。
「先生!大丈夫ですか!?」
「シムラよ…わしを置いて逃げなさい。」
「何を言ってるんです!?先生も逃げるんですよ!さあ立って下さい!」
「ぐっ…ごほっ…」
体を立たせようとすると、先生は大量の血を吐き出した。
「先生!」
「体を強く打ったようだ…」
「先生!誰か呼んできます!」
「シムラよ…わしがお主をここに入れたのは、戦う力をつけさせるためだ…」
こんな時にそんな話するなんて、死ぬみたいじゃないか。
徐々に顔から血の気が引いていく先生を見て、嫌な予感しかしない。
「先生!喋ってはダメです!」
「一目見たとき、お主にはこの世界を変えることが出来る力があると分かった。
お主は、前世も未来も戦っておった。」
「先生!話は後で聞きますから!」
だが、先生は震える手で立ち上がろうとする俺の袖を残った力の全てで掴み、それを阻んだ。
「わしはもうここまでだ…だから行く必要はない…それよりも筆と紙を持ってくるのだ…早く…」
俺は躊躇ったが、先生の必死な表情に自然と体が動いていた。
近くに転がっていた筆と紙を渡せば、それに何か書いた先生は紙を何重に折り畳み、俺の掌に握らせた。
「これには…お前の前世が書いてある。お前が死ぬときに…良い人生を送ったと思えたなら、これを見るがよい…ただし…それまでは決して見るでないぞ…」
「先生…」
「シムラよ、お前が下民に生まれたのはお前のせいではない…罰…では、ない…」
先生の手が力なく地に滑り落ちた。
「先生!」
それ以上、先生を呼んでも俺のことを見てくれることはなかった。
薄く開かれた先生の目は、ここではないどこかを見ているようだった。