自分の成したコト




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あの日の爆発は、下民を迫害する組織によるものだった。

寺子館が狙われたのは、表面上であっても平等が許された数少ない特区であり、下民を庇護しているとの理由からだと後から聞いた。

放課後だったが、部活等で残っていた生徒や先生方の多くがケガをおい、その中の幾人かは死亡した。

これが、俺が住んでいる世界だ。

上民、中民、平民、下民に分けられ、上の者は下の者達を強いたげ、下の者は強いたげられることに堪える。それがこの世界なのだ。




「先生、俺はこの世界が嫌いです。
この世界に堪え続ける俺自身が嫌いです。」




俺は沈む夕日に照らされた墓石の前に立ち、先生に話しかけた。


先生は、俺に世界を変える力があると言った。

先生は、未来とは全て自分が選んだ結果だと言った。




「先生が言うように、俺に本当に世界を変える力があるなら…」




その力で、俺はどれを選ぼう…




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