ただひとつの恋。
「あ!忘れ物してきた!先に車帰ってて。」
遠ざかる二人の後ろ姿をじっと見つめていると、彼女は私のところまで戻ってきた。
「私は、あなたのことが大好きなんです。
あの人はいつもあなたのことを笑顔で話すから。
その時の顔が好きだから。
だから・・・許してくれたらありがたいです。
彼のことは、あなたの分も幸せにします。絶対に。」
矢継ぎ早にそう言うと、あなたは私のお墓に向かって満面の笑みを向けてくれた。
その表情は、私から見てもとっても可愛かった。