滅びゆく世界を夢見て俺は
ガラスが粉々に粉砕された正面自動扉から中に入ってみたら予想通りと言えばいいのか、意外と言えばいいのか迷うぐらいスーパーマーケット部分の食料品売り場はスッカラカンに何もかも略奪されて空っぽだった。

あの大混乱の最中、危険を冒してまで外出して食料確保に走った人は俺の予想よりもずいぶんと多かったらしい。

まあそいつらが無事食料を確保できたか、ゾンビどもの食料に成り果てたかは知らないが。

期待に反して欲しい物は手に入らなかったが、先に用地確保をするとしよう。

目的地に行くには脚立がいる。だがここは勝手知ったるよく来た店。2階にあるテナントのスポーツ用品店の隅に立て掛けてあるのを知っている。

どうかパクられていませんように。

あった。

後は脚立を屋上まで運ぶだけ……って重いわ!しかもエレベーター停まってるから階段で上がらなくてはいけないのかよ。

心が折れそうだ。

だがこれが人生最後。終わり良ければ全て良しを手にする為の努力だ。頑張れ俺。

屋上に到着。頑張った俺。



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