青の瞳に映るのはーー
「美心はさあ、雷としたの?」

真也の質問に首を傾げた美心。

心底分からないと、言う表情。
「だから、美心は雷とセックスしたことあるの?
もし、無かったら強姦になるからね、一応」


その質問に、赤くなる美心。
「うん、まだ三回ぐらいだけど」

三回も、雷に抱かれたのか?
思わず、ジッと見てしまう。
白いTシャツから覗く生足。 
細い体。
華奢な腕。
なんだか、面白くない。
ーーーーバチッ
美心と、目が合った。

赤い頬。
「あのね、お腹すいた」

ガクッ
項垂れた。
「あれ、美心なんも食べてないの?」
真也が、声をあげた。

「うん、コンビニ行って来ようかな」
そう言い、美心は立ち上がる。
「待って‼」

その腕を掴んだのは、俺。

「きゃっ」

まあ、事故だった。

言い訳するなら、事故。

美心の体をソファに押し倒してしまう。

「ご、ごめん。
だけど、そんな格好でコンビニとか行かせないよ?
美心は、可愛いんだからもっと自覚してよ‼」

ソファに押し倒されたままの美心が、顔を赤くした。

「はい、ごめんなさい」

不意に離す俺は、ホッ、とした顔になる。


「じゃあ、作るよ。
オムライスでいい?」

真也が、キッチンで支度を始めた。

「ありがとう」

君が、微笑んだ。
「青もいるろ?」

何気なしに振られ、ああ、と答えた。

出てきたオムライスは、3人分。

卵に書かれた名前。

「わぁー、可愛い。」

喜ぶ美心。

美心は分かるけど、全員分名前書かなくてもよくないか?

「青くん、良かったね」

君の言葉に苦笑いな俺。
まあ、君が、笑顔ならいっか。
真也のオムライスは、絶品だった。
「美味しい~っ」

満面な笑顔の、美心。
だけど少し、ホッ、とする。
さっきまで、泣いていた美心。
今は笑顔になっている。

それが、嬉しい。
「美味しかった。ありがとう、真也くんっ」

笑顔な美心が、居て癒される。
「じゃあ、部屋の準備するから青、手伝って」

「ああ、じゃあちょっと待ってね。
すぐ来るよ」

俺達は美心を残してリビングを出た。

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