青の瞳に映るのはーー
「まあ、いいや。
内藤くん、目黒くん行こうか?」

ニヤリ、と笑う藤。
嫌な予感しか、しない。
「後、美心ちゃんおいでっ。
劇の練習始めるよ?」

笑顔が、胡散臭い。
そして、連れて来られたのは二階空き教室。
「えっとまずは台本通りにお願い、内藤くん」

ニヤリ、と笑う藤。


「いや、藤……俺無理だよ。
女の子に迫るとか、壁ドンとか無理!!」

つか、迫るとか、壁ドンする訳?
美心に?
嫌なんだけどーー

「え、ダメなの??大丈夫だよ、劇だから」

藤の言葉に青くなる内藤に、同情するよ。
「あのさ、こんな劇で誰が喜ぶ訳?」

正直嫌だ。
美心が、男に迫られるのも……壁ドンされるのも。
触られたくないし、マジ嫌だ。

「そんなの、女の子のために決まってるじゃん。
みんな楽しみにしてるけど?
美心の絡みに」

ニヤリニヤリ、と笑う藤には……何を言っても無駄だ。

「さあ、まずは内藤くんどうぞ。
美心はこの位置ね」

なんか、始まるらしい。
美心と内藤の絡み。


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