青の瞳に映るのはーー
そう、眠り姫みたいだ。
美心が、誰かに寝顔を見せるなんて、無かった。
いつも、君を心配していたよ。

雷と付き合ってる時も、囚われた時も……。

雷で、これ以上傷ついて欲しくない。

今は離れて安心してるんだよ。
だけど、いつかまたあの時みたいに、雷の元に行くんじゃないか、ってだけどーー。
俺だって、本気だから渡したりしないけど。

「美心ちゃん、可愛いね。
羨ましいよ、目黒くんがっ」

内藤は、美心を優しく見つめていた。

ああ、内藤はやっぱりーーー


「内藤は、美心好きなの?」


思わず、はっきりさせたくて聞いた。

「えっ!!
いや……いやでもないけど、好きだよ。
だから、羨ましいよ」

少し、頬を赤くした内藤。
意外にピュアな奴だ。

「けど、美心が好きなのはまだ雷だよ。
雷が一方的に美心から離れたからっ。
俺はもう、雷には渡さないよ。
本気だからっ」

美心が、俺を好きになるまで待つ。
待つのは辛いけど、君の側に居れるならいいんだ。

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