青の瞳に映るのはーー
校内は、なぜか色めきたっていた。
「聞いたよ~青。
明日の文化祭、あれ出るってマジ?大丈夫なの?」

廉が、肩を組む。正直、重いから……っ。

あれって……。

カップルショーだろう?

「ああ、出るよ。
美心を自分のモノってアピールできるしな」

自信満々で、言えば廉はきょとん、と見た。

なんだ?

「なあ、カップルショーに出ないかって言ったの誰?」

そんなのーー
「藤だけどーー」

そうそう、お前の女だよ。
「お前それさあ、最後まで話聞いた?
カップルショーって、アピールする前に告白タイムがあってさあ、男の方から好きな子に告白してそれでも彼女が揺るがなければ、本物の愛って、アピール出来るんだよ。

だから、いいのか?今さらだけど……っ」

そう、今さらだ。
ここに、藤はいないんだから。

俺は、、脱力から床に項垂れた。

「大丈夫か?」

廉が、手を差し出す。
俺は、手に取る気力さえない。

教室はいつも通り、賑わっていた。

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