青の瞳に映るのはーー
後ろに乗せた美心を、見た。
不安げにぎゅっ、と袖を掴む美心。

「美心、不安?」

不安な筈だ。
色々聞かされた後だ。

「大丈夫、青くんがいるもん」
君はずるいね。
俺の気持ちはいつだって、美心の側にあるのにそんなこと言われたらーーー

抱き締めたくなる。

 止まった赤信号。

振り返る君を見つめた俺は、君を………



    抱き締めていた。


「美心は、必ず俺が守るからーーっ。

どんな奴が現れても、命が尽きようとも絶対に守るからーー」


キザな台詞だと、笑う?

だけど、たぶんこんなに夢中になれるのは君だけ。

赤い頬した美心。
青信号………。
回された美心の手は、体温を持ち俺の頬にも熱がこもった。

不謹慎だけど、この関係が終わらないで欲しいなんて思った。

後少し、後少しなんだ。

美心の気持ちが、俺に傾くまで、、後少しーー。


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