青の瞳に映るのはーー
ーーーーザッ


まるで、風が吹いたみたいな強い突風。

それと、動じに走る二人は組み合う。
翼が、振るう拳を掴む舞原。


「翼のこと、大好きだよ」


一瞬、緩む翼の動き。
腹に一発、お見舞いした舞原。

いや、つかさあーーー

「「惚れた弱味じゃね?」」

西道と、秋は声を揃え言った。

つか、やっぱり翼は舞原が、好きーーー?

「ずるいな、華恋は。
俺の気持ち、知っててそんな可愛いこと言うなんて」

腹を押さえた翼は、舞原を見ながら苦笑い。

その気持ちが、すごく分かる。

「女の武器、使うな、なんて言われてないよ」

確かに…………。

そんなルールすらない。

「来いよ…………俺は絶対、負けない。」

目を閉じる、翼。
精神統一を始める翼。
目を閉じ、前を向く翼。
隙など、ない。

あれが、もう一人の雷龍の総長ーーーー?


「まじで、本気出す気だな翼。
本当、ベタぼれ過ぎだし」

秋が呟いた。

< 175 / 242 >

この作品をシェア

pagetop