青の瞳に映るのはーー
背中に隠れている美心が、翼に怯えた。
鋭い目付きしまって欲しいわ。

「翼、その目付きしまえよ。
美心が、怯えてんだけど……」

「美心………?」

俺の背中に隠れている美心を、見る翼の目が見開いた。

「こんばんわ」

ガクッ。
美心の冷静な声に、ガクリ、と項垂れた。

俺だけじゃなく、翼も西道も、秋とか言う奴もだ。

まあ、確かに時計を見れば18時半。
こんばんわで間違いはないけど………。

「君のお姫様?」

秋の、疑問の声が、した。

「今は、俺の姫だよ」


今は……そう、今はーーーー。

雷を救いだしたら、なんの障害もなくなり、雷はまた美心を手に入れようとするだろう。

美心だって本当は、雷のことがーーーー。

好きなんだ。

「そっか。とりあえず、君らのメンバー集めてくれない?一緒に連れてくから」

秋は敢えて聞かない。
分かってる筈なのに、変な言い回しをした俺のこと。
わかってる筈なのに、、


敢えて聞かない。
それが優しさなんだって気付いた。

< 177 / 242 >

この作品をシェア

pagetop