青の瞳に映るのはーー
「翼を動揺させる美心、スゴいな」

聖が、感心した様に言った。

「泣かれると困る。
華恋に殺されるわ。
華恋のお気に入りだからな」

翼は、美心を見て言った。
美心が翼を見つめた。
美心の瞼が涙で濡れていた。

「悪かったな、泣かせてっ」

「大丈夫です、泣いてごめんなさい」

ねえ、美心。

翼を見つめないで。

翼を好きにはならないで。

これ以上ライバルなんていらないからーー。

俺は、愛しい君を見つめた。



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