青の瞳に映るのはーー
ーーーーーーーーーーー

「内藤じゃない、俺にしなよ美心」

なんで、セリフの名前。
本名なんだよ、照れるんだけど。

「違うよ、私は内藤くんが好きなんじゃない。
私は……………」

美心のクライマックス。

美心は、その先を言わない。

ざわめく会場。

美心、セリフ。


「私は…薫が好き。
ずっと好きだったよ。
ケンカして離れても、薫が違う人を好きになっても、薫に傷つけられても。

私だけは、薫の味方だよ‼
絶対に、私だけは薫の味方だよ?

薫、好き‼」


美心…………。

劇のクライマックスはない。
俺でもない、内藤でもない。
選んだのは、やっぱり薫。

薫じゃない、違う誰かを背に見ている。
それが、雷なのはすぐにわかった。

拍手喝采。
薫に抱きつく美心に、少しばかりヤキモチを妬いた。



幕は、下りそれでも美心は、薫に抱きついて泣いた。
それが、演技に思えないほど。

「美心、俺ドキドキするんだけど」
美心、そりゃドキドキするよ。
俺でもさあ。
ドキドキするよ。



「美心、次はカップリングだから会場移動!!
美心、衣装変えだから‼
とびきりの衣装だよ‼」

藤が、美心にウインクした。

< 206 / 242 >

この作品をシェア

pagetop