青の瞳に映るのはーー
「あ、居た居た香織っ。 
大丈夫だった?」

その時ーーーー 一緒に居た亜子が、カフェに入って来たんだ。

「うん、文化祭楽しめた?」

「うん、物凄く!!
ありがとうね、香織っ。
あ、喉乾いた‼ついでになんか頼もうかな‼」

そして、メニュー片手に彼女の目の前に座った。


「あれ?あの人………廊下で………」

ちょうど、亜子から見える位置に居た俺は、亜子と目が合った。
亜子は、慌てて目を逸らした。


なんだ?変なの。

いや、、変なのは俺だ。


さっき………逸らされた香織ちゃんには、何故か酷く傷ついた。

なのに、なんで……………今は、亜子には何も感じない。


俺………なんか、変だ。


「ご注文、お願いします‼」

亜子の元気な声に、注文を取りに来たのは……翼だった。


「はいはい、何がいい?」

おい、執事が軽すぎだよ。
敬語使えよ!!相手は客だよ!!

「お兄さん、面白いね‼
えっと、レモンティ一つと、パンケーキ一つ!!
あ、香織は??」


気にしてねーし。

「えっと、レモン………ティと、ーーーケーキです」

「あ?ごめん、聞こえなかった。
もっと、耳元で言ってくんない?
うるさくて……」

俺を見ながら、ニヤリ、と笑う翼の表情にーー

イラッ、とした。

香織ちゃんが、翼に近づいた。

耳元に寄せる唇………。


「失礼します。
ご注文は、レモンティと、プリンケーキで宜しいでしょうか?」


咄嗟に、飛び出していた。


「あ、はい。
合ってます‼お願いします」


少し、ホッ、として裏へ行けば………翼がニヤニヤしながら入って来た。


なんだよ…………。




< 226 / 242 >

この作品をシェア

pagetop