青の瞳に映るのはーー
廉が、女の子を追いかけるように見てる。


「雷、大丈夫か?」


すかさず、真也が間に入る。

「マジ、何あいつ。

女に手あげるわけ、いかねーし。
けど、あいつ震えてたな」


「なんだ、雷も気づいてた?
いくら強きでも、やっぱり女の子だね」


廉がニコニコしながら、言う。

コイツの笑顔が、胡散臭い。

「何、まさか廉、気に入った?」





冗談だった。


だけどいつまで待っても、何も言わない廉。



「…………マジ、あんな強い女とか廉、チャレンジャーだな」


雷が呆れたように言う。




「梓ちゃんは、強くないよ……

きっと、弱い」




この時、廉が、何を思っていたとか分からぬまま。


過ぎ去る時間。



「あれ?みんな、まだ居たの?」


いちゃ悪いのか美心。


教室に入ってきた美心と、薫。


あれ、あの子いない。

「梓ちゃんは?」


先に口に出したのは、廉だった。




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