先輩の彼女にしてもらいました
しかし、確かにこいつらソワソワしだすし、練習妨害だな、あの子は。

この若いオスのオオカミの群れに、美味しそうな仔ヤギが投げ込まれたようなものだ。

「先輩、あの子に声かけてきてもいいっすか?連絡先聞いてきてもいいですか?」

2年の数名が俺のスマホを持って、連絡先を聞きに行こうとする。

「あ、待て待て。俺のスマホは持っていくな。お前らたまには自力でくどきにいけ」

「えー、そんなん無理ですよ。どうせ、あの子もつばさ先輩目当てだろうし」

知るか、俺のスマホにあの子のアドレスは入れるなよ。

「ブツブツ言ってないで、いけよ。なんとかなるって」

適当なことを言って、後輩を送り出して成り行きを見守るけど、結果はいつもと同じ。

バスケ部の後輩に話しかけられたその子は、怯えたように何度も首と手を振って、力一杯拒絶している。
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