先輩の彼女にしてもらいました
「先輩、無理でした。速攻で断られました、
やっぱりつばさ先輩がいいらしいですよ」
ガックリ肩を落として、フラれた後輩が俺のもとへ戻ってきて泣き言を言う。
ちょっと気の毒になったので、肩をポンポンと叩いてやる。
一応これでもバスケ部の可愛い後輩だ。
「わかった、わかった、スマホ貸してやるから他の1年の子に連絡先聞いてきたら?」
「ありがとうございます、先輩」
さっきとは、打って変わったニコニコ顔で、1年女子ファン集団のもとへ駆けていく後輩。
うんうん、頑張れよ。誰か彼女見つかるといいな。
「まーた、スマホ貸してるの?後輩に甘いんだから、つばさは。あんたスマホの使い方絶対間違ってるから。アドレスが女子だらけじゃん、自分で返事もしないくせに。しかも、あんまり持ち歩いてないし、携帯の意味ないし」
バッサリ言ってくるのは、幼なじみの桜。バスケ部のマネージャーで俺の元カノ。今は
別れている時期だ。
黙っていれば、長身のスタイルのいい大人びた美人だけど、俺にはいつも容赦ない。