先輩の彼女にしてもらいました
岳の片方の眉がピクリと反応したのを見逃さなかった。

「おーまーえー、さっきの俺の話を聞いてなかったようだな。集中しろ、集中」

「いいじゃん、別にキャプテンだからって、んなプライベートまでストイックにならなくてもさ」

「るせー、いくぞっ。」

パスを受け取り、ドリブルしながら軽やかにコートに入る岳を追いかける。

ダンダンダン

「あ、先輩やるんすか?じゃー俺も」

数名の部員も加わって、即席の3オン3が始まる。

「きゃー、つばさ先輩」

「大谷キャプテンカッコいい」

岳が後輩にパスを出すけど、すかさずカットして全速でドリブルする。

舌打ちした岳が、ボールを取りにくるが、簡単にかわす。

今日も、俺は絶好調だ。体が軽くて誰よりも早く動ける。

< 107 / 450 >

この作品をシェア

pagetop