先輩の彼女にしてもらいました
すると、周りにいた女子がクスクスって笑う声がする。

「なっ、なんだよっ。ヘンタイって。俺はそんなんじゃ」

言いながら、私をチラッと見た時田くんの顔がうっすら赤くなっている。

ああ、いつもこう。私を庇ってくれようとしてる時田くんにまで迷惑をかけてしまうんだ。

私はたまらなくなって、走って教室を飛び出していく。

「蒼井待てよっ」

後ろで、時田くんの声がしたけれど私は振りかえらなかった。

最低だ、クラスの男子全員大嫌い。


時田くんは、同中出身だからか、ただ単に正義感が強いからなのかいつも味方になってくれようとする。

だけどさっきみたいに、時田くんまでヘンタイ呼ばわりされて気の毒だし申し訳ないと思う。



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