先輩の彼女にしてもらいました
ダンッ、ダンッ、ダンッ

ドリブルが心地よいリズムをきざむ

キュッキュッ

バッシュが床にこすれる音

この音色も大好きだ。

体育館の入り口からこっそり中をのぞくと自主練中の先輩が、いる。

前髪がゆれて、額には汗が光っている。

楽しそうな瞳は輝いていて、口元はほころんでいる。

どうやら、後輩くんと2人で遊びながらバスケをしているみたいで、時々言葉をかわしている。

私には彼しか目にうつらない。


酸素が私の中にゆっくりととりこまれていく。

さっきまで息の仕方を忘れていたかのようだったのに、いまはもう少しづつ呼吸が整っていくのがわかる。

つばさ先輩は、わたしの酸素、

わたしの精神安定剤

わたしの大好きな人




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