先輩の彼女にしてもらいました
同級生や先輩、後輩を問わず、しょっちゅう告白されたり、言い寄ってこられたりした。

引っ込み思案でおとなしい性格の私は、男の子の気をわざと引こうとしているなどと、悪口を言われ同性からは嫌われだした。

アキちゃんの彼氏の吉木くんは、時田くんの親友だったから、私のことを心配してくれて、たまに走り方のフォームを変えるアドバイスをしてくれたり、遅くまで、練習に付き合ってくれたりした。

それがアキちゃん達の気に障ったみたいで、私と吉木くんとの仲を変な風に勘ぐられたりした。

私への風当たりがますますきつくなっていった。

それでも、なんとかすがるような気持ちで、アキちゃん達と、友達でいつづけた。

陸上を頑張って続けていたのも彼女達から見放されたくなかったからだ。

あんなに、陰口を言われ胸を笑われたりしていたくせに、それでもなお私はみんなと一緒にN高へいき、陸上をやろうとバカな夢を見ていた。

だけど、3年の体育祭のあの日、私はようやく目を覚まされた。

毎年陸上部の私達4人でリレーに出て、ぶっちぎりで一位をとり、みんなで抱き合って喜ぶ瞬間を私は、どんなに楽しみにしていたことだろう。

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