先輩の彼女にしてもらいました
あの時、あの瞬間だけは、本当の友達になれるんだって思っていた。

私は個人種目の陸上よりも、本当は団体競技が、好きなのかもしれない。

きっと、また昔みたいに笑いあえる、もしかしたら元通りになり、何もかもうまくいくかもしれない。

リレーのアンカーを務めるため、私は一生懸命、練習した。

そして、忘れられないその日がきた。

「アキちゃん、ヒナちゃん、ココロちゃん、絶対勝とうね」

体育祭のリレーが、始まる前、私は張り切ってみんなに声をかけた。

「すずな、アンカーは任せたよ」

ヒナちゃんが笑いかけてくれる。

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