先輩の彼女にしてもらいました
「男子よりもいい記録だそうよ、すずながいれば、狙えるよ」

ココロちゃんが、私の手を握る。

「すずな、がんばろ」

そしてアキちゃんと肩を組む。

私達は、ひとつになれる、そう思った。

だけど、

リレーの第3走者のアキちゃんからのバトンが、不自然に落とされ、私はちゃんと受け取ることが出来なかった。

私は茫然とした。

彼女達は、私を冷ややかな眼差しで見つめる。

張り切っていたのは、私1人でみんなは、なんとも思ってなんていなかった。

滑稽な私は、結局はひとりぼっちだったんだ。

それにようやく、気がつい時、もうなにもかも、嫌になっていた。

彼女たちに何を言われようと、私はもうそれ以上、走ることが出来なくなっていった。

だから、新しい道を1人で、歩こうと思った。

そして、T高へ入学した。

そして、彼に出会えた。

私は、生まれて初めての恋をした。



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