先輩の彼女にしてもらいました
「あの、私っ、先輩がバスケしてる時に、翼が見えるんです。高くジャンプした時に、背中から綺麗な白い翼が。それで多分先輩は天使なんじゃないかって。私もあんな風に飛べたらいいなって。だから、それで、毎日でも見ていたいって」

一気にまくしたててから、ハッと我に帰って隣の先輩を見た。

なんてこと言ってしまったんだろう。

先輩は口をポカンと開けて、私の頭を撫でていた手をピタリと止めた。

嘘じゃない、全部ほんとのこと。ほんとに私が信じていることだけど。

だけど、いくら話題を、変えたかったからってこんなことを、ぶちまけてしまったら、変な奴だと思われる。

終わった、と観念したその時、彼がゆっくり口を開いた。

「そ、そっかぁ。それはすごいな」
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