先輩の彼女にしてもらいました
「やっぱりつばさってかわいー、横顔も美人だよねー」

桜は腹を抱えて笑うけど、岳の顔からはますます表情が無くなっていき、俺はゾッとする。

ヤバイぞ、またかよ。

「つばさが、どうしてもって言うならまた、私が付き合ってあげてもいいけどね」

桜は冗談ぽく言いながら、座っている俺の背中ごしに抱きついてきた。

わー、やーめーろー。

びっくりしすぎて声も出ない俺はジタバタしながら、桜の腕を振り払おうとした。

その時、岳は無言で立ち上がり教室を出て行ってしまった。

「な、なんでこんなことすんだよ、桜。俺を当て馬にする気だろっ」

振り返って抗議すると、桜は悪そうな笑顔を浮かべている。

「は?つばさ、なに言ってんの?当て馬ってなんのことよ?私はつばさが、いいんだもーん」
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