先輩の彼女にしてもらいました
言ってさっき私の頭を撫でていた手をひっこめて、自分の首の後ろを触って俯いてしまった。

あ、どうしたんだろ、先輩、きっと困ってるんだろうな。

笑い飛ばしてくれてもよかったんだけど、でも、もし彼に笑われてしまったら立ち直れないくらい、傷つくかもしれない。

「ごめん」

「え?どうして謝るんですか。私のほうこそ」

「いや、俺バカだから、君の言ってる意味がよくわからなくて。それはなにかの比喩表現なのかな、たしかに俺の名前は、つばさだけど」

「え、比喩、あの」

「いや、俺、国語が苦手だし本もあまり読まないし、待って。ちょっと考えるから」

そう言って、うーんと考える彼を見て私は、涙がでそうになり鼻の奥がツンとなる。

なんて、優しいひとなんだろって感動すら覚える。

私の話を、笑ったり、馬鹿にしたり、気持ちわるがったりしないんだね、先輩。




< 25 / 450 >

この作品をシェア

pagetop