先輩の彼女にしてもらいました
「えっ。なになに今の。すごい肉弾戦。激しすぎ」

沙織ちゃんがびっくりして私の手をぎゅっと握る。

「つばさ先輩」

私はハラハラしたけれど、先輩はすぐに立ち上がり、フリースローを始める。

固唾を呑んで見守る中、先輩は危なげなく確実にシュートを決める。

しばらくして第1クオーター終了の音がした。

「あれ?もう前半終わり?」

「ううん、10分間のピリオドが4回あるんだよ。まだ4分の1しか終わってないよ」

「でも少しリードしてるし勝てるんじゃない?」

「うーん。でもまだ油断できないよ。このくらいの点差だと、バスケはすぐに逆転されちゃうから。先輩も交代があるし。このまま逃げ切れるかどうか」

点差が思っていたほど開かないのが、心配だった。
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