先輩の彼女にしてもらいました
そして、交代の合図がして、ついにつばさ先輩が試合に再びでてきた。

私はハッと我に返った。目の前の試合に集中しなきゃ。

「やった、つばさ先輩出てきたよ。これでまだまだわからないよねっ」

すっかり興奮している沙織ちゃんは私よりもちゃんと試合を見ていたかもしれない。

ダメだ、私、先輩が、こんなに懸命に闘っている時に、試合から目をそらして。

今は、桜さんのことも、陸上のこともどうだっていい。

一生懸命、応援するんだ。

大好きなつばさ先輩を。

「つばさ先輩、いけーっ。負けるなー」

びっくりするくらい大きい声で叫んでいた。
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