先輩の彼女にしてもらいました
それに、うわぁ、この人チャラそう。

彼はよく見ると、すっきりした顔立ちでハンサムだけどかなりニヤけていて、ちょっと身の危険を感じる。

「ね、いこっ。そうだ、いいお店知ってるんだ」

いきなり手を握られて、あたふたして声も出なくなる。

ううっ。しょっちゅうこうなるんだよね。

私ってそんなに軽い女に見られるのかな。

「離して下さい」

どうしょう。

すっかり萎縮してしまって小さな声しかでない。

「え、可愛いなー、赤くなって。安心して。俺、すごく優しいから」


強引に引っ張っていこうとする彼に、フルフルと首を横に振って後ずさりした。

この人足早いかな?

いざとなれば全力疾走で逃げなきゃ。

その時、目の前の彼がパッと顔を輝かせて私の後ろ側に手を振った。

「つばさー、つばさじゃん」

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