先輩の彼女にしてもらいました
なんだか、一方的に言われっぱなしだったような。

嵐のような人だっだな。

「・・・」

「・・・」

残された私とつばさ先輩には、気まずい空気が流れて、私は申し訳なくて俯いてしまう。

ごめんなさい、こんな彼女で。

先輩は、あんなにバスケが上手くてカッコいいのに、私ったら何やってんだろ。恥ずかしいよ。

「道を尋ねてたって、嘘だよね?」

先輩はようやく口を開いたけどちょっと感情を抑えたような低い声だった。

「ごめんなさい、違うんです」

「まさかとは思うけど、蒼井さんてさ、バスケが上手くてそこそこの見た目なら俺じゃなくてもいいの?」

口元に手をあてて、拗ねたような困ったような顔の彼が、ちょっと可愛いらしく思ってしまう。


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