先輩の彼女にしてもらいました
「え、先輩、なに言ってるんですか。そんなの違います。誤解なんです。本当に、信じて」

先輩の腕を掴んで下からジッと見て、哀願する。

彼は目が合うとパッと横を向いてしまう。

「うん、いいよ、信じるよ、蒼井さんの言うことならなんだって」

すぐに優しい答えが返ってきて少し拍子抜けするくらいだった。

あれ?あっさり信じてくれるんだ、よかった。

まあ、いくらなんでもあの人と私の仲を本気で疑わないよね。それにしたって、先輩はどんどん私に甘くなっていってるような気もする。

「今日、可愛いね、蒼井さんの私服、初めて見た。その服似合ってる、髪も」

「先輩」

先輩が、私に見惚れるように、眩しそうに目を細めた。

今日は私なりに、目一杯オシャレしてきた。

もしかしたら先輩に会うかもしれないから、私服が ダサくて幻滅されたら困るし、少しでも綺麗と思われたくて、うっすらお化粧もしてきたんだ。

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