先輩の彼女にしてもらいました
先輩は、ポニーテールに結ってきた私の髪を、愛おしそうに撫でる。

濃紺のワンピースは、胸が少しでも目立たないゆったりしたデザインだ。

似合ってると言われて、天にも登るくらい嬉しい。

「で、なんで、涼太に話しかけてたの?」

先輩に、事の経緯を正直に話した。

涼太さんが、先輩に怪我でもさせるんじゃないかと勘違いして、やめて欲しいってお願いするつもりだったって打ち明けた。

先輩は私が話していると、みるみる顔色が変わってきて、ハーッとため息を吐いておでこに手をあてた。

多分呆れていたんだと、思う。

「危なかっかしいな、蒼井さんは。こんなんじゃ、安心しておちおち試合なんてしてらんないよ」

「ごめんなさい」

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