先輩の彼女にしてもらいました

電話を切るとすぐに、着信がありスマホの画面を見た途端に気持ちがパッと明るくなった。

「もしもし、つばさ先輩?」

「蒼井さん、いま大丈夫?」

「うん」

つばさ先輩の声を聞くとなんだかホッとする。嫌なことなんて全部吹き飛んでしまいそう。

「あのさ、今ちょっとだけ下に降りてこれる?ロードワークがてらこっちの方に来たんだけど。いま、蒼井さんちのマンションの下に来てて」

え、うそ、どうしょう、嬉しすぎるよ、先輩。

「あ、うんうん。今から行くね」

「ゆっくりでいいから」

急いで、部屋着にパーカーをひっかけただけの格好で、こっそり部屋を出て行く。

いま、8時半だけど、外に行くと親に言ったら叱られそうだったのでこっそりと抜け出し、エレベーターがくるのを待つのも、もどかしいほど急いで降りて行った。
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