先輩の彼女にしてもらいました
ううん、いつだって先輩に会いたいと思ってる。

でも、先輩は横を向いてしまって、なぜだかこちらを見てくれない。

もっと顔が見たいのになぁ。

「先輩?どうしてこっちを見てくれないんですか?」

「うーん、見たら変なことしちゃいそうだから」

頭の後ろに手をやりハハハと、力なく笑う先輩。

「いいのに。私、先輩になら。だって大好きだから」

「いやいや、さすがに蒼井さんのうちの前ではダメだよ。それに俺も我慢する、せめて次の試合に勝って、全国大会に行くまでは。岳だって辛抱してるんだし」

えっ、と驚いて横顔しか見せてくれない先輩の前に回り込んで正面からジッと見る。

彼はため息混じりに微笑して、そっと私を抱き寄せてくれた。

「このくらいなら、いいかな」

「うん、先輩大好きです」

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