先輩の彼女にしてもらいました
「告白って、桜さんにですか?」

「えーっ、なんでわかるんだ?蒼井さん、エスパーみたいだ、俺は何も言ってないよね?」

びっくりしたように、目をパチクリする先輩がとても可愛い。

「そんなの見ていたらわかりますよ」

本当は、単に当てずっぽうで言ってみただけなんだけど。

だって以前から、あの2人はとてもお似合いだと思っていたから。

「いや、蒼井さんはやっぱり頭いいんだなー。俺とは大違いだ」

先輩が、持ち上げてくれるのでちょっと恥ずかしいから、ウフフッて小首を傾げて笑った。

私を見つめていた先輩が、ぎゅっと目を瞑る。

「あー、もうダメだ、限界っ」

そう叫んだ彼は、抱きついていた私を引き離して、クルリと踵を返して手をあげる。
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