先輩の彼女にしてもらいました
「蒼井さんだって、忙しいのに、1人にこんなにたくさん押し付けて悪いな。手伝うよ」

言って、先輩はダンボールから缶ジュースを取り出したので、私はそんな彼を止めようとする。

「え、ダメです。ダメです。つばさ先輩にこんなことさせられません。次の決勝戦まで1分1秒でも大事にしなきゃいけないんですから。ここは大丈夫ですから、練習に戻ってくださいね」

先輩の持っていた缶を受け取り、ニッコリ笑う。

私なんて、これと言ってやることがあるわけじゃないし、大好きなつばさ先輩の練習を見たくて毎日体育館に来ることだけが私の日課ってだけだし。

それに、バスケ部のお手伝いが出来てむしろ嬉しいくらい。

いつも、私は見ているだけだったから。

どんなことでも、間接的にでも先輩やバスケ部の手助けになるなら嬉しいもん。


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