先輩の彼女にしてもらいました
「ありがとう、でも、もう少しだけここにいていい?」

「え、どうして?」

先輩は困ったようにに、少しはにかんで笑う。

ぐ、愚問、私ったら。先輩になんてことを聞いてるんだろう。

そ、それは、えーっと、つまりもう少し2人きりでいたいという、つばさ先輩の甘い甘いお言葉なわけで。

「うん」

マッハの速さで、赤面してしまった私は俯いた。

椅子に座っている私の傍で床に片膝をつく先輩。

私の両手を引き寄せて軽く、手のひらに口づけをされる。

ひゃあっと飛び上がって悲鳴をあげそうになるのを必死で我慢した。

「すみません、先輩は、練習しなきゃいけないのに。どうしょう、私のせいで練習時間が減っちゃったら」

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