先輩の彼女にしてもらいました
「蒼井、聞いてんのかよ。なに考えてんだ。お前らの揉め事に、こんな大事な時に先輩を巻き込んでんじゃねーよ。つばさ先輩がいないから、バスケ部みんな、大騒ぎになってるんだぞ」

「どこ?どこにいるの?先輩とアキちゃん達は?」

「ロビーにいるらしい」

大声で、叫んで、走り出していた。

「すずなちゃんどうしたの?試合始まっちゃうよ?」

後ろから私を追いかけてきた沙織ちゃんの声がしたけれど、振り返らなかった。

何がどうなっているのか、さっぱりわからなかった。

アキちゃん、つばさ先輩をこんな決勝戦の大舞台の前に、呼び出すなんて、何を考えているの?

わかってる、私がアキちゃんからの電話に出なかったからいけないんだって。

だけど、だけど、どうしてつばさ先輩を巻き込もうとするの?

怒りで、頭がおかしくなりそうだった。

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