先輩の彼女にしてもらいました
そういうことを、やりかねない子だって私にはちゃんとわかっていたはずなのに。わかっていたのに、私が逃げていたからこんなことになってしまった。

ロビーにたどり着くまでの廊下を全速力で、走っていいたら、向こうから時田くんとつばさ先輩が走ってくるのが見えて、胸がいっぱいになった。

「つばさ先輩」

「蒼井さん」

一目見ただけで、つばさ先輩の様子がいつもと違うのが分かった。

勢いよく走り寄った私達はすんでのところで、ぶつかりそうだった。

「大丈夫?どこかぶつけた?」

怒りと、悲しさと、先輩に対しての申し訳なさで、私の表情はぐしゃぐしゃだった。

先輩もなんだか、辛そうな顔をしていて動揺しているみたいだった。
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