先輩の彼女にしてもらいました
「先輩、落ち着いてください。今は、時間がないんです。痴話喧嘩なら後でやってくださいよ。それに、蒼井をそんなに一方的に責めないでください。怖がって何も言えなくなってるじゃないですか」

怒気を含んだ声で時田くんが私を庇うように言う。

先輩を私から引き離そうとしているのか、後ろから羽交い絞めにしている。

「離せよ、時田、こんなんで、試合なんてできるかよ」

時田くんは先輩に強く振り払われて、よろけて後ろへ倒れる。

「つばさ先輩、あんたいい加減にしろよ。それでもうちのエースかよ」

すぐに立ち上がった時田くんは先輩につかみかかっていこうとする。

ダメだ、こんな時に時田くんまで頭に血が上ってしまっているみたいだ。

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