先輩の彼女にしてもらいました
女同士の修羅場を披露してしまって、かなり引いているだろうな時田くん。

「しっかし、あいつらよくも俺のことであんなデタラメをつばさ先輩に言ってくれたよな。これから部活がやりにくくなるじゃん」

「ご、ごめん」

「お、おい謝るなってー、なんか俺、フラれたみたいじゃんかよ。ち、違うからなー。誤解すんなよな。俺が蒼井を好きとか、あり得ねーから」

時田くんは耳まで赤くして反論する。

私への想いを否定されたけれど私はつい俯いてしまう。

「だから、違うってー、友達だろ。俺達」

いつもの調子で笑う時田くんの真意は計り知れなくて、困ってしまう。

どちらかといえば、自分の気持ちをそっと隠してくれているようにも見える。

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