先輩の彼女にしてもらいました
「え、おいおい、そんなに思いっきり引くなよっ。
違うからな、好きだって言ったわけじゃないんだからな、今のは」

顔を真っ赤にして否定する時田くんは、いま凄い爆弾発言をしていたことに、自分では気づいていないのだろうか。

存在自体に助けられるとか元気を貰える、なんて、私が先輩に強く抱いている気待ちとそっくり同じだ。

だけど、彼がこんなに強く否定するのだから私もその言葉どおりに受け取っておくべきなのかな。

「時田くん、本当に違う?」

「違う、違う、だから安心しろよな。つばさ先輩がまだ誤解してるようなら俺がとりなしてやっからさ。じゃあ俺、応援席に戻るよ、試合どうなったか気になるし」

照れ臭そうに言って彼は、早足で応援席に戻っていった。
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