先輩の彼女にしてもらいました
いつも、そばにいて味方になってくれた時田くんを、知らないうちに傷つけてしまっていたとしたら、凄く悲しい。

だけど、彼が否定してくれて心の中では、少しホッとしている自分がいた。

その自分勝手さが嫌になるけれど、やっぱり私の好きな人は、つばさ先輩なのだから、どうしょうもなかった。

つばさ先輩は、今頃どんな気持ちで試合をしているんだろうか。

早く席に戻って観戦しなきゃ。

だけど左の頬がまだジンジンして痛かったので、冷やしたくてトイレの洗面所にいった。

洗面の鏡を見て、ひゃって小さく悲鳴をあげた。

顔の左側が赤く手形がついているし、腫れ上がってひどい顔だ。よっぽど、強く叩かれたんだ。

ショックだった。

こんな不細工な顔、つばさ先輩に見られたらって思うだけで恥ずかしくて死にたくなるよ。

しばらく、泣きそうになりながら、鏡を見ていたけれど、先輩の試合の行方も気になっていたので、トボトボと席に戻っていった。

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