先輩の彼女にしてもらいました
「どうしたの?すずなちゃん、ひどい顔だよっ。誰にやられたの?」

席についた私を見て沙織ちゃんが大声をあげそうになったので、慌ててシーってした。

だけど周りの歓声もうるさかったから、たいして気にしなくてもよかった。

濡らしたハンカチを頬に押しあてていたけれど、顔の腫れが目立つみたいだった。

あれから、左目もジンジンしてきて、目が半分しか開けれなくてますます恥ずかしい。

「気にしないで、私のことより試合は?つばさ先輩は大丈夫だった?」

「大丈夫なんかじゃないよっ、つばさ先輩が大変な時にどこ行ってたの、すずなちゃん。先輩、反則ギリギリのプレーばっかされて、足をかけられたり、突き飛ばされたりで、最悪だったんだよ」

「う、うそっ」

私は愕然としてコートに目をやるけれどつばさ先輩の姿はなかった。
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